【外壁解説】モルタル外壁とは?
長野県松本市の皆さんこんにちは。
長野県松本市の外壁塗装&屋根塗装専門店の サンテクペイント です。
今回は、新人の佐藤より前回のサイディング外壁に続いてモルタル外壁の解説をさせて頂きたいと思います。
近年、新築の90%以上をサイディング外壁が占めているためモルタル外壁を施工することは減ってきていますが、
防火性や耐久性の高さ、サイディング外壁とは違う伝統的な質感など、まだまだ根強い人気があります。
その為、ここで解説する内容も知識として知っておくと今後役に立つ時がくるかもしれません。
↓ ↓ ↓ 前回のサイディング外壁の解説はコチラ ↓ ↓ ↓
目次 ーリシン ースタッコ |
1. モルタル外壁の由来と時代背景
モルタル外壁は、古代ヨーロッパでレンガ造りの建物を石造りに見せるために表面に塗り始めたのが由来と言われています。
日本では、1923年の関東大震災から盛んに用いられるようになりました。
その後、震災や第二次大戦などの影響でだんだんと住宅の防火性が求められるようになり、
1950年に建築基準法にて木造住宅の外壁にラスモルタルが規定されたことで全国に普及していきました。
ラスモルタル壁構法とは?
ラスモルタル壁構法とは、ラス網(金属製の網)をステープル(ファスナーの一種)等で止め、
その上にモルタルを塗り付ける施工方法のことです。
この構法は耐火性に優れており、モルタルの厚みが15ミリ以上で防火構造、20ミリ以上で準耐火構造になります。
1980年代までは、このラスモルタルが日本の住宅の外壁に最も多く使われていました。
2. モルタル外壁のシェア率
モルタル外壁は、1980年代までは主流の外壁でした。
しかし現在では、コストパフォーマンスで劣っているとしてサイディングが採用されることがほとんどのため、
モルタル外壁のシェア率は5.8%程度と言われています。
しかし、決してモルタルに需要がないわけではなく、サイディングの方が良いとは一概には言えません。
外壁のシェア率一覧表
シェア率 | |
窯業系サイディング | 78.3% |
金属サイディング | 3.7% |
アルミサイディング | 8.8% |
ALC | 0.4% |
モルタル | 5.8% |
木質系サイディング | 0.8% |
その他 | 2.4% |
3. モルタルの成分
モルタルは、セメントと水と砂を混ぜたもので、膠泥(こうでい)とも呼ばれます。
ペースト状なので施工しやすく、仕上げ材や目地材、躯体の調整などに使われることが多い外壁材です。
セメントやコンクリートとの違い
モルタルは、セメントに砂と水を加えたもののため強度ではセメントに少し劣りますが、
その代わりに柔軟性と耐火性に優れます。
コンクリートは、セメントに水・砂・砂利を混ぜ合わせて作ります。
素材として使う砂や砂利のことを「骨材」、その中でも小さな砂を「細骨材」、大きな砂利を「粗骨材」と呼びますが、
この粗骨材が含まれるのはコンクリートのみで、ここがセメントやモルタルとの大きな違いといえます。
細骨材と粗骨材をセメントと結合させることで、強度の高いコンクリートになるのです。
4. モルタル外壁の特徴
モルタル外壁は近年ではあまり施工されませんが、メリットがないわけではありません。
近年主流のサイディングよりも優れている点がいくつかあります。
モルタル外壁のメリット
モルタル外壁のメリットは、
職人が仕上げを行うためデザインの自由度が高いこと、
何層も塗り重ねるため遮音性や防火性に優れること、
目地や継ぎ目ないためスッキリした仕上がりになること、
日が当たっても温度が上昇しにくいため夏場でも室内が熱くなりにくいこと、
などがあげられます。
また、モルタル自体は防水性が低くひび割れが起きやすいですが、
そこを補うための塗装などのメンテナンスをしっかりしていれば優れた耐久性を発揮し、
サイディングより長持ちする場合もあります。
モルタル外壁のデメリット
モルタル外壁のデメリットとしては、
職人が現場で時間をかけて施工するため工期が長引きやすいこと、
それに伴い人件費などのコストが高くなりやすいこと、
防水性が低いため塗装などの定期的なメンテナンスが必要なこと、
仕上がりは職人の腕次第のため、品質に差が出やすいこと、
などがあげられます。
モルタルとサイディングの簡易比較表
モルタル | サイディング | |
耐久性 | ◎ | 〇 |
防水性 | △ | ◎ |
防火性 | ◎ | 〇 |
施工金額 | 高い | 高いものから低いものまで |
施工期間 | 長い | 短い |
仕上がり | 職人の腕次第 | 一定の品質が期待できる |
汚れ | 付きやすい | 付きにくい |
ひび割れ | 入りやすい | 入りにくい |
デザイン性 | 自由度が高い | 種類が豊富 |
5. モルタル外壁の仕上げ方法
モルタル外壁の仕上げには様々な種類がありますが、ここでは大きく4種類に分けて解説します。
リシン
リシンは、砂や小さな砂利などの骨材を混ぜた塗料を吹き付けた仕上げ方法です。
壁の表面を触るとザラザラしているのが特徴で、コストが安くかつては最も主流の仕上げ方法でした。
しかし、ひび割れが起きやすく汚れも付きやすいため、近年は施工が減ってきています。
スタッコ
スタッコは、セメントと砂や合成樹脂などを混ぜた塗料をスプレーガンなどで吹き付ける仕上げ方法です。
リシン仕上げに近いですが、スタッコの方が外壁に厚みがあり重厚感がでます。
また、比較的耐久性もあるため、コストパフォーマンスに優れます。
吹き付けタイル
樹脂などの結合材と骨材などを混ぜ合わせて、タイルガンと呼ばれる大口径の塗装機で吹き付ける仕上げ方法です。
表面がなめらかに仕上がるのが特徴で、比較的工期が短いためコストを抑えられます。
また、ひび割れや汚れにも強いというメリットもあります。
ジョリパット
ジョリパットとは、正確にはアイカ工業の商品名です。
モルタル外壁の大きなデメリットとしてひび割れしやすいという点がありますが、
ジョリパットは塗材の柔軟性が高くひび割れが起こりにくいです。
その耐久性を活かすためには洗浄や塗装などのメンテナンスが定期的に必要になりますが、
アイカ工業からジョリパット専用の塗料も発売されているため、そういう点でも信頼感があります。
6. まとめ
いかがでしたでしょうか。
近年はコスパに優れるサイディングが施工されることがほとんどではありますが、
モルタルにも様々な種類があり、それぞれに特長があるため一概にどちらが優れているとは言えません。
最終的にはその環境に応じた施工をすることが大切であり、そのための知識をつけることが非常に重要なのです。
記事をご覧頂き誠にありがとうございました。
これからも長野県松本市密着の外壁塗装専門店「サンテクペイント」を
よろしくお願い申し上げます。
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